伊藤嘉高, 2021,「コロナ禍における「地域社会」の共同性/公共性」『地域社会学会ジャーナル』1: 75-9.
冒頭抜粋
2021年度地域社会学会大会のシンポジウムは「パンデミックと都市・地域」と題されオンラインで開催された。企画趣旨によれば、本シンポジウムは、「新型コロナ禍のなかで地域社会学は何をどのように問えばよいのか、その問題の所在と展望を議論する機会」として設けられた。
そこで、本稿では、医療社会学とともに、地域社会学のなかでも場所論を専門にしてきた筆者の立場から、3名の登壇者の報告内容とコメンテーター(浅野慎一氏、三浦倫平氏)からの発言とその後の討論を手がかりとして、上記課題にアプローチするための経路のひとつを提示してみたい。……