「超高齢がん患者の生と死―社会学の知見から」『Cancer Board Square』2巻2号掲載

伊藤嘉高, 相澤出, 2016,「超高齢がん患者の生と死―社会学の知見から」『Cancer Board Square』 2 (2): 249-254.

Feature Topic「Over80歳のがん診療 · 超高齢時代のがん診療について」に掲載。扉では「高齢がん患者の存在が当然となりつつある現状においては、臨床的対応をどこか一般化し、なんとかその場をやり過ごしてしまう現実も生み出しているのではないだろうか。そこで本特集では、わが国における「超高齢者のがん診療」として「80歳」というフレームを設定し、超高齢者がん診療の特性とリアルに迫りたいと思う」とされている。

冒頭抜粋

高齢者、とりわけ80歳以上の超高齢者の生活全般から、超高齢がん患者の生活の課題に迫りたい。超高齢者の生活について考えるべき論点として何よりも重要なのは、いうまでもなく心身の問題である。しかしながら、家族、経済、社会関係、死生観に関する問題も同じように重要である。

そこで、本稿では、内閣府「高齢者の日常生活に関する意識調査2014年」の個票データ(東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターSSJデータアーカイブより提供)を用いて、以上の論点について80歳以上の超高齢者の特性を確認する。次いで、先進的な在宅緩和ケアの現場から、以上の論点について80歳以上の超高齢がん患者の生活実態に迫る。最後に、これからの超高齢がん患者の生活を支える上での社会的課題を提示することにしたい。……

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