グローバル資本主義との付き合い方(1)―ナショナルな政治過程との連環

2009年の政権交代が失敗に終わったとされるなか、鎖国主義に根ざしたナショナリズムに対する支持とともに、ポピュリズムを背景とした新自由主義(グローバリズム)が再び台頭し、両者の二項対立図式が語られるようになっている。しかし、両者は見せかけの…

「自治体病院再編に対する住民サイドからの事後検証―置賜総合病院を核とした自治体病院再編を対象にして」『日本医療・病院管理学会誌』49巻4号掲載

伊藤嘉高, 村上正泰, 佐藤慎哉, 新澤陽英, 嘉山孝正, 2012, 「自治体病院再編に対する住民サイドからの事後検証―置賜総合病院を核とした自治体病院再編を対象にして」『日本医療・病院管理学会誌』49 (4): 27-36. 目次1 要…

まなざしの地獄―メラニー・フェネル『自信をもてないあなたへ―自分でできる認知行動療法』

自分に自信を持てず消極的な人生を過ごしている人間に対して、「前向きになろう」とか「ポジティブに考えよう」とかいったお気楽なアドバイスがなされることが多い。しかし、「ネガティブ・シンキング」から脱却するために希求されるべきは、そうしたお気楽な…

なぜ病院から「追い出された」と感じるのか―宇都宮宏子編『退院支援実践ナビ』

友人や知人から、病院から退院する際、「追い出された」という話を聞く。なぜそうした事態に至るのか? 病院内の医療提供体制のみに目を向けた近視眼的な回答をするならば、こうだろう。 すなわち、日本は、医療費抑制政策を背景とした、先進諸国と比較した…

医療療養病床にかかる保険外費用(おむつ代、タオル代等)の実態と疑問

ここ数日、首都圏の病院調査に出ていた。その際、ある急性期病院の熱意ある医療ソーシャルワーカーの方から、「このあたりでも療養病床は足りていないが、しかも医療療養病床の入院費用が高いので、経済的な理由で転院できない患者も多い。個人的なつてで、わ…

国立大学職員給与一律削減の不公平性(事務職員・技術職員の場合)

前回は、国立大学法人の医療系職員の一律給与削減の問題点をみましたが、そもそも、国立大学法人の給与は国家公務員よりも相当に低いという問題があります。ここでは、事務職員・技術職員について見てみます(ちなみに私は教育職であり、自分の給与のことをと…