社会民主主義の舞台としての自治体病院―伊関友伸『自治体病院の歴史』
昨年10月に医療経済研究機構より研究助成をいただき、「青森県西北五地域における広域ネットワーク型自治体病院再編による住民受療行動の変容」をテーマとした調査研究を始めている。 かつて私は山形県置賜地方で同様の調査を実施しているが、今回は、その…
偶然を必然にする―島岡要『研究者のための思考法10のヒント』御恵送
マカオから山形大学に赴任して5年が経った。大学院では都市社会学(地域社会学)を専攻していたのが、山形では医療という新たな分野に身を置くことになり、言ってみれば学部生からやり直すことになった。いくつもの「偶然」の重なりと人との出会いによって山…
【書評】近森高明・工藤保則編『無印都市の社会学』(『三田社会学』掲載)
以前、本ブログ記事にて紹介した近森高明・工藤保則編『無印都市の社会学』について、拙評が『三田社会学』に掲載されました。 伊藤嘉高, 2014,「書評 近森高明・工藤保則編『無印都市の社会学―どこにでもある日常空間をフィールドワークする』」『…
「山形県内病院における医療型療養病床の運用実態―地域一体的な慢性期医療の構築に向けて」『日本医療マネジメント学会雑誌』15巻1号掲載
伊藤嘉高, 村上正泰, 2014, 「山形県内病院における医療型療養病床の運用実態―地域一体的な慢性期医療の構築に向けて」『日本医療マネジメント学会雑誌』15 (1): 19-24. 目次1 要旨2 冒頭抜粋 要旨 機能分化と連携による医療…
グローバルな場所の政治学に向けて―ジョン・アーリ『グローバルな複雑性』読み解き
前の記事の通り、ジョン・アーリ『グローバルな複雑性』(Global Complexity)が法政大学出版局より刊行された(吉原直樹監訳、伊藤嘉高・板倉有紀訳)。私は、全7章のうち、はしがき、第2~7章を担当している。 本書は、20世紀末以降…
ジョン・アーリ『グローバルな複雑性』(共訳)
ジョン・アーリ『グローバルな複雑性』法政大学出版局、2014年3月刊。吉原直樹監訳、伊藤嘉高、板倉有紀訳。全7章中、はじめに、第2~7章を担当。 原著:John Urry, 2003, Global Complexit…
第40回山形県公衆衛生学会、3月5日開催
第40回山形県公衆衛生学会が、3月5日(水)山形大学医学部にて開催されます。学会長を本講座の村上正泰教授が務め、私は事務局長を仰せつかっています。 例年、県内各地の医療機関、行政機関、関係団体などから幅広い参加者があり、今回は、例年を上回る…
SQLによるDPCデータ分析―MEDI ARROWSとともに
山形県の寄附講座事業の一環として、県内病院のDPCデータ(個人情報を外した診療録情報、診療明細情報、行為明細情報)を集積し、診療実態・治療実績等の分析を進めている。 ニッセイ情報テクノロジー社のMEDI ARROWSを採用して分析をしてきた…
脱原発運動の特殊性と普遍性―青木聡子『ドイツにおける原子力施設反対運動の展開』
日本では、東日本大震災(福島第一原子力発電所事故)以後、脱原発が一大政治争点化しているが、その先駆けをなすのがドイツである。2000年6月には、早くも連邦政府(社会民主党&同盟90/緑の党連立政権)が、国内20基の原子炉の段階的停止などの基…
診療所(医院、クリニック)の将来患者数を予測する―1開業医当たり20%以上の減少も(2030年山形県)
医療提供に真に必要な医師数を推計することは困難だ。厚生労働省「医師の需給に関する検討会」の医師需給推計を背景に医学部入学定員抑制が進められた結果、今日の「医師不足」の事態が引き起こされた。 昨今、再び、医学部定員増が進められているが、その流…