バルネラビリティを可視化する保健師~板倉有紀著『災害・支援・ケアの社会学』御恵送

板倉有紀著『災害・支援・ケアの社会学』生活書院、2018年。 目次1 概要2 短感 概要 災害時要援護者・災害弱者というカテゴリーでは拾えない「曖昧なニーズ」の典型としての「災害とジェンダー」。自然災害の被害とニーズを、地域単位の災害対応に…

新潟医療福祉大学着任に当たっての抱負~「優れたQOLサポーター」としての医療経営管理専門職の育成に貢献する

2018年9月より、山形大学医学部を退職し、新潟医療福祉大学の医療経営管理学部医療情報管理学科にて勤務することになりました。妻が別学科の教員として着任しており、家庭の事情により私も後追いしました。 着任にあたって記載した「抱負」を共有します…

「社会学を講義する―石川先生の遺志を継いで」『石川洋明先生追悼論文集』所収

伊藤嘉高「社会学を講義する―石川先生の遺志を継いで」『石川洋明先生追悼論文集』pp. 29-36、2019年6月刊行。 学部時代の恩師である石川洋明先生から学んだ社会学の基礎―常識を疑うだけでなく、どうして常識が常識として成り立っているのか…

【書評】アクターネットワーク理論による法の『本質』をめぐる議論―ブルーノ・ラトゥール『法が作られているとき』(『図書新聞』掲載)

ブルーノ・ラトゥール著、堀口真司訳『法が作られているとき―近代行政裁判の人類学的考察』(2017年、水声社)の拙評が『図書新聞』3363号に掲載されました(発売日2018年8月4日)。 『法が作られているとき』は、近代国家における行政制度の…

「ボランタリズム」「マカオのコミュニティづくり」「人類学/民族誌の系譜」『コミュニティ事典』所収

伊藤守ほか編『コミュニティ事典』(2017年、春風社)所収。 「ボランタリズム」は「第4部 ボランティア、NPO、NGOとコミュニティ」(似田貝香門編)、「マカオのコミュニティづくり」は「第12部 アジアのコミュニティ」(橋本和孝編)、「人…

「人口当たり医師数のジニ係数減少=医師の地域偏在縮小」ではない!

古い話になるが、2004年からの新臨床研修制度によって、医師が自由に研修先を選べるようになった結果、地域医療を支える人材の供給源であった大学から医師がいなくなり、地域医療の崩壊に拍車をかけた。地域医療の実態を知るものであれば、疑う余地のない…