伊藤嘉高「自治体病院再編をめぐる『批判』とコスモポリティクス:青森県西北五地域を対象として」『年報 科学・技術・社会』Vol.32掲載

私の専門領域は、地域社会学→医療社会学→科学社会学(アクターネットワーク理論)と変遷し、現在は地域社会学に戻ってきています。とくに医療社会学への転向は就職先のポストに影響を受けた結果であり、それまでの研究とはまったく無縁の研究を行ってきまし…

学生による情報発信「新潟大学人文学部学生プロジェクト」にご声援を!

(本記事は新潟大学人文学部『学部だより』29号に掲載したものの再掲です。) コロナ禍は学生から対面的コミュニケーションを奪いました。学生生活に必要な情報を他の学生から得る機会が失われ、その結果、自分から積極的に動かなければ情報が得られにくく…

社会福祉士国家試験のための『レビューブック』『クエスチョンバンク』2023-24【監修、解説】

社会福祉士国家試験の定評ある解説書『レビューブック』の監修と問題集『クエスチョンバンク』の問題解説を担当しました。 『クエスチョンバンク』は、直近の第35回の「社会理論と社会ステム」の問題(35-15~21)と「保健医療サービス」の1問題(…

伊藤嘉高「アクターネットワーク理論と記述的社会学の復権」『現代思想』2023年3月号掲載

私がブリュノ・ラトゥールの議論を本格的に追いかけるようになったのは、ごく最近のことである。その最初のきっかけは、最初の就職先であった医学部の医師たちとの会話である。彼/彼女らに社会学の議論を紹介すると、面白いかどうか以前に、まずもって「それ…

窓ガラスたちによる統治~西川純司『窓の環境史』ご恵送御礼

窓ガラスは透明な存在だ。窓ガラスの向こう側の世界をありのままに見せてくれる。しかし、本書『窓の環境史』が描き出しているのは、そんな窓ガラスが、公衆衛生などの実践のなかで人間と非人間の関係を組み直し、人間と非人間が織りなす世界、つまりは、生の…

伊藤嘉高「モバイルなコミュニティ研究のための予備的考察―創発の社会学とその限界を超えて」『立命館大学人文科学研究所紀要』No.134掲載

今年度から14年ぶりに社会学の世界に戻ってきた。かつての自分の研究をいくらか客観的に見ることができるようになり、この論文では、20代の頃に取り組んでいた「創発の社会学」に対する自己批判を行った。 『立命館大学人文科学研究所紀要』の「観光、デ…

2023年度学部3年ゼミ案内~「他者との共生」に貢献する社会学

★第1学期・第2学期(月曜4限) 「私の行為は私が決めているのではない」―社会学の根底をなすこの発見は、今日の「なんでも自己責任にされる社会」に対する強力なカウンターであるはずだ。しかし他方でこの言明は、(a)「私が悪いんじゃない! ××の…

自己愛とデジタル・テクノロジー~アンソニー・エリオット『デジタル革命の社会学』ご恵送御礼

アンソニー・エリオットは自己論で知られる社会学者ですが、その最新刊の翻訳『デジタル革命の社会学―AIがもたらす日常世界のユートピアとディストピア』が刊行されました。翻訳者のお一人である遠藤英樹さんにご恵送いただきました。 本書は、AIに代表…